新潟歩き旅Day4
↑価格破壊過ぎてビビる
4日目
7月30日。
高崎市の公園で起床。
可愛いパグを3匹連れたおじさんと会話をしてから公園を出発する。
この日は完全な猛暑日だった。
3日目の午後もそうであったが、なるべく日陰を歩かないと体力が持たない。
例えば高速沿いでは、午前中は高速の西側、午後は東側を歩くようにする。
そうすることで、なるべく日陰に入りながら進むことができるし、休憩時も日陰の場所を見つけやすい。
当たり前のことだが、意識しないとついフラフラと日向に出てしまい、無駄に体力を消耗してしまう(実際、何度もあった)。
とはいえ、日陰に入れたとしても、そもそもの外気温が高いために結局は疲弊するのであるが。
この日も道を歩いていたら、差し入れを頂いた。
私を追い越した新聞配達のバイクが、飲み物を買った後にUターンして戻ってきてくれたのである。
勿論、声をかけて頂くだけでも励みになるのだが、こうして飲み物を頂くと肉体的にも回復するので非常に嬉しい。
書きそびれてしまったが、実は3日目も車に乗った人から差し入れを頂いたことがもう2回あった。
嬉しい気持ちになる一方、皆なぜこんなにも優しくしてくれるのかと不思議に思ってしまう。
昼過ぎに休憩を終えて歩いていると、ロードバイクが私を追い越しながら4度見してきたので会釈をした。
すると50メートルほど先でロードバイクは停まり、こちらへ引き返してきた。
「こんにちは」
「こんにちは」
「新潟まで歩くんですか?」
「はい」
「ちょっと一緒に歩いてもいいですか?」
「いいですよ」
(不愛想な応答に聞こえるのは、元々のコミュ力の無さと、暑さでマトモな会話をする余力が無いためである)
こうして、徒歩行軍初のパートナー(?)ができた。
結構旅とかされているんですか、今日はどこまで漕いできたんですか、など互いに趣味の話をしながら1時間ほど歩いた。
すると、
「よかったらウチ寄っていきます?もう近くなので」
と言われたので、お邪魔することにした。
この時点で完全に、私は人からの申し出は断らないことに決めていた。
折角のご好意を無下にするのは勿体ないし、何よりついていったら面白そうだと思うようになったからである。
アパートにあげて頂き、最近買ったというかき氷機の紹介(実食つき)をしてもらった。
部屋には猫が3匹いて、多種多様なカルピスが揃えてある。
完全な癒し空間である。
猫を撫でながら、再びお互いの趣味の話をしていた。
あまりに居心地が良かったせいで、気が付くと夕方になっていた。
猫のおかげで十分に英気を養えたので、今度山でも行きましょうと連絡先を交換し、癒し空間を出発した。
体力は回復し外気温も下がってきたので、その後は順調なペースで進んだ。
この日はほとんど進んでいなかったので、夜までにもう少し進んでおきたい気持ちもあった。
だが、癒し空間を出て一時間ほどのところでおば様に声をかけられる。
「そんな大きいの背負ってどこ行くの!?」
「新潟の祖母の家までです」
「寝るのとかどうしてるの?」
「基本的に野宿してます」
「じゃあ今日はウチ泊まっていけば?」
私は快諾し、泊めてもらうことにした。
距離よりも面白さ優先である。
出会って数分の方の家に泊めてもらうという、こんな面白い機会は逃したくない。
それにしても、見知らぬ汚い男を家に上げることに抵抗はないのだろうか。
「お家って他に誰かいないんですか?」
「お父さんがいるよ」
「お父さんには聞かなくていいんですか?」
「大丈夫」
不思議である。
皆、無条件にこうして受け入れてくれる。
家に着くと、お父さんが出てきた。
「歩いて新潟まで行くらしいんだけど、今日ウチに泊めてあげてもいいでしょ?」
「いいよ」
本当に不思議である。
お父さんに関しては、出会って数分どころか数秒しか経っていないというのに…
家では旅の話の他、甲子園(前橋育英が近い)やお孫さんの話をした。
今年受験を控えているらしく、祖父母としても心配そうな様子であった。
私自身が受験生のときは自分のことだけで精いっぱいだったが、同時に家族もまた色々と不安なのだとようやく感じた。
この日は疲れも溜まってきていたので、22時頃には就寝した。
↓この日の成果